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ペルテス病




今回のテーマは小児の股関節疾患である「ペルテス病」です! ペルテス病において、現在こんなお悩みをお持ちの方は是非ごください。

・どんな疾患があるのか分からない ・どのようにして鑑別したらいいか分からない ・股関節の解剖を復習したい

それでは本題へ行きましょう!



概説 股間節の解剖 症状 検査



概説

ペルテス病とは小児期に発症し、何らかの原因によって大腿骨頭の血流が途絶えてしまい、大腿骨頭が壊死してしまう病気です。 好発年齢は3〜12歳に多いですが、特に5〜7歳に最も多く発症し、性差は男児の方が女児と比べて3〜5倍の確率で罹患します。 また患者の10〜24%で両側性で発症するとされています。(1 しかし病因は不明で現在でも諸説言われています。



股関節の解剖学


股関節は大腿骨の先端にある球形の大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした臼蓋との組み合わせでなっている球関節です。


正常な股関節では、寛骨臼が骨頭の約4/5を包み込むことで関節を安定させています。 ちなみに肩関節も球関節ですが、骨性の安定性は股関節と真逆なので注意。

股関節には、普通に歩くだけでも体重の3~4倍の力がかかるといわれています。

【合わせて覚えておきたいポイント】 走っている時には体重の4〜5倍に増加するとされていて、階段昇降、椅子からの立ち上がりでは、体重の6.2〜8.7倍の力が、さらに、床や低い位置からの立ち上がりでは、10倍の力が股関節にかかります。           日本整形外科学会認定整形外科専門医 狩谷哲 医師

この力を支えられるよう、股関節は筋肉や腱などで全体を覆われており、安定性を保ったままいろいろな方向に動かすことができます。

構造的には骨同士が接触している大腿骨頭と臼蓋は、表面が関節軟骨と呼ばれる滑らかな組織で覆われています。 さらに関節の周辺は滑液(関節液)と呼ばれる潤滑液で満たされており、骨同士(軟骨同士)が滑らかに動くのを助け、摩耗により骨が削れることを防いでいます。



股関節の触診


股関節痛とは縫工筋・鼠径靭帯・長内転筋で囲まれたスカルパ三角の部分に出る痛みとなります。

①鼠径靭帯 恥骨結節と上前腸骨棘を結ぶ靭帯
②縫工筋 起始:上前腸骨棘 停止:脛骨内側(鵞足形成) 支配神経:大腿神経(L2及びL3) 作用:股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲・内旋
③長内転筋 起始:恥骨上枝 停止:大腿骨粗線内側唇の中1/3 支配神経:閉鎖神経 作用:股関節の屈曲・内転・内旋


症状

・跛行 ・股関節や大腿部、膝部の疼痛、歩行時痛 ・可動域制限(特に股関節の屈曲、内転)

疼痛に関しては徐々に強くなる事が多く、日により痛みがあったりなかったりすることもある。

単純性股関節炎との鑑別が必要になるが、単純性股関節炎は急速に股関節の疼痛が出現し、約1週間で疼痛が緩解します。 なので症状の出方や経過も鑑別するのに大切な情報になってきます。



検査

画像検査

レントゲン 股関節の正面像と側面像にて判断し、進行度を4期に分類される。 初期から順に 壊死期分節期修復期残余期 となります。2)

壊死期 壊死した骨端が硬化像を呈し、荷重部が圧潰していく。 側面像でみられる骨端前方から中央に至る軟骨下骨折線はこの疾患で特徴的な所見となる。壊死の範囲が広い場合は、骨折線が後方にまで及ぶ。 しかし初期ではレントゲンでは異常を認めないこともある為、注意が必要です。 その他の所見として、壊死組織が脆弱になり、機械的刺激によって微小損傷が発生し、それにより滑膜炎が起こり関節内に水腫を認めます。その為、MRIや超音波画像診断装置であれば水腫を確認できますので、超初期段階から有用な鑑別方法となります。


分節期 骨端に亀裂が生じ、壊死骨の吸収が始まる。吸収は徐々にされていき、透亮像と硬化像が混在して分節状になる。この時期に重症度が明らかとなり、予後の予測が可能となる。 壊死期から分節期にかけて骨幹端に嚢胞を形成することがあり、その場合重症度が高いことを示している。


修復期 この時期は治癒過程において最も長く、重症な場合3〜4年かかることもあります。 吸収された部分には新生骨が出現し、骨端の前外方から中央に向けて輪郭が徐々に明瞭になっていく。


残余期 壊死骨がなくなり、修復が完了した状態で骨頭と寛骨臼は徐々にリモデリングされていく。 ただし重症例では変形を残す場合がある。



重症度の分類

Lateral pillar分類がよく用いられます。 分節期の正面レントゲン像にて判断され、大腿骨頭を内側・中央・外側の3つの部分に分ける。 A群:外側に病変なし。外側の高さが健側と同じ。 B群:外側の高さが50%以上 C群:外側の高さが50%未満

追加修正され、B群の中でも以下の3つに該当する場合は予後が悪い可能性が高まります。

B/C border群 1:骨頭外側部分の幅が3mm以下 2:骨頭外側部分の骨萎縮が強い 3:骨頭中央部分の陥凹が強い


MRI 初期の段階から軟骨下骨部に信号の変化を認めることもあり、鑑別するのに有用である。


超音波画像診断(以後エコー) エコーは壊死期の段階で起こる滑膜炎を確認することができますが、それだけではペルテス病と決定付けられる訳ではないので、その点は注意が必要です。 確認するポイントとしては

関節内の水腫(腫脹) 滑膜炎の有無 骨頭の不整像

上記の3点は最低限確認しなければならないと思います。



徒手検査 ペルテス病に対する固有の検査法はありませんが、股関節に対する徒手検査をして評価をしていきます。

パトリックテスト 【検査肢位】 患者:仰臥位 検者:検査側に位置 【評価方法】 ①検査側